水道のはなし

玉野市の水

弊社が宇野港に入港する船舶に提供している飲料水は、岡山県の西部を流れる高梁川の西阿知浄水場から玉野市にある配水池を経由して供給されています。今でこそ潤沢に使える水ですが、水資源のないこの地域で暮らした先人たち、水道事業に携わった方々のご苦労は、並大抵でなかったでしょう。感謝しきれません。

地理的に水源に恵まれていない玉野市は、必要な水量の99%を岡山県南部水道企業団から買い入れていますが、水道料金は、岡山県内の15市の中で倉敷市を押えて1番の安価(2022年4月1日現在)。玉野市内と香川県の直島町(分水)への最大供給量は、37,000㎥ / 日。

2023年11月の浄水水質検査書(PDF:2MB)

水道記念碑

宇野港の旭橋水門近くに山陽時報社(現・山陽新聞社)が寄贈した水道記念碑が建立されています。玉野市が1940年9月に市制施行する前の宇野町と国鉄のために敷設された簡易水道は、1922年4月に通水が開始されましたが、市内のほぼ全域に供給されるようになるには、高梁川を水源とする岡山県南部上水道配水組合(現・岡山県南部水道企業団)から分水、送水出来るようになる1954年まで待たなければならなかった。

玉野市は、1978年に大渇水に見舞われて210日間、1日19時間断水していた小豆島(小豆島町)に給水船による「友情給水」を行い、弊社はそのサポートに従事しました。

1994年の夏は、全国的に異例の猛暑・小雨で、高梁川水系のダム貯水量も底をつき、倉敷市、玉野市など11市町村の一般家庭も1日8〜16時間の断水で、弊社の船舶給水業務も138日間の休止を余儀なくされました。

水道記念碑
大正期の旭橋
平成の旭橋

2023年は、宇野港(田井地区)の船舶給水用水栓の老朽化が原因による漏水(修復に約1年を要しました・涙)に見舞われました。更に、台風の上陸が少なく被害が無くて良かったものの、降水量の減少で高梁川水系のダムの貯水率は危機的な状態が続いていて、2024年の夏は、1994年の悪夢が再来するかもしれません・・・年初より継続的な降雨があり2024年2月28日に取水制限が解除されました・・・が、引き続き日頃の節水を心掛けたいものですね。